ツヴィーゼルの歴史
私たちツヴィーゼル・クリスタルグラス社は、1872年の創業以来、150年の歴史を通して、常に時代にあったガラス製品を、バイエルンの深い森の中で作り続けてきました。
ツヴィーゼル・クリスタルグラス社は、ドイツ・ミュンヘン北東約180km、ドナウ川を超えたバイエルンの深い森の中にあります。この森林地帯は、ガラスの原料となる良質の珪石や木炭に恵まれ、中世よりガラス工房が活動していました。
1872
「ツヴィーゼル・クリスタルグラス社」の始まりは、アントン・ミューラー(Anton Müller)が設立した、ガラス工房「Annathal」でした。
アントン・ミューラーがこの土地を選んだのは、バイエルンの森には、 ガラスの原料となる砂と燃料となる薪が豊富にあり、グラス作りに適した土地だったからです。当時は教会などで使われるステンドグラスを作っていました。
1884~1898
ガラス工房から会社形態となり、「Zwieseler Farbenglashütte Gebrüder Tasche」 を設立します。
その後、品質と納期を重視した体制を確立、高い評価を得て事業を発展させ、1898年には経営形態を株式会社として、 工房から株式会社へと事業規模を拡大していきました。
1914~1945
激動の時代 ~二つの対戦のはざまで~
第一次世界大戦の影響で、1914年から1921年まで工場は一時的に閉鎖。 戦後に生産を再開した工場ではシンプルな飲料用のグラスの製造を開始、1924年にはワイングラスの生産を始めました。
1927年のインフレを経験した後、Otto Schottら率いる Jenaer Glaswerk SCHOTT & Gen がビジネスパートナーになり、さらに事業を発展させていきます。
しかし1945年の戦争により主要な工場と多くの技術が失われました。第二次世界大戦終結後、アメリカ軍部隊がガラス技術の保護のために、41人の経営陣と優れた熟練工をイエナ(後の東ドイツ)から西ドイツへ移送し、その人たちの一部がZWIESEL地域のガラス産業の再建を支えました。
1961
フルオートメーション化によるマシンメイドのステムグラス製造を開始します。
1971
家庭用ガラス製品の生産を開始。会社名を「SCHOTT ZWIESEL GLASWERKE AG」とします。
2002
2001年に発表した、新素材「Tritan®crystal glass」(トリタン®クリスタル)の国際特許を取得します。
2004
2004年10月、日本に「株式会社ツヴィーゼル・ジャパン」を設立します。
2005
「ショット・ツヴィーゼル社」から「ツヴィーゼル・クリスタルグラス社」に社名変更。長きにわたって培われた伝統を継承するため、創業年を冠したハンドメイド・ブランド「ZWIESEL 1872(ツヴィーゼル 1872)」が誕生します。
2006
ドイツで「耐熱ガラスの代名詞」といわれるブランド「イエナ・グラス」を買収します。
2007
世界一のクリスタルピラミッド
2007年5月25日 バイエルン地域環境次官や近隣諸国の代表など200人を越える来賓を向かえ、世界で最も高いクリスタルグラスピラミッドの落成式がツヴィーゼル市で行われました。
93000個以上のZwiesel Kristallglas AG社製トリタンクリスタルグラスを正確に積み上げた8m超のピラミッドは世界記録を樹立しました。
このピラミッドは、全世界に5億個を販売してギネスブックにも認定されたNeckarシリーズグラスで作られており、グラスの安定性と耐久性、ツヴィーゼル社の正確な製造技術を証明しました。
使用グラス:Neckar Weinkelch
使用グラス数 :93.665個
ピラミッドのサイズ :幅4.61m、高さ:8.06m
総重量 :11.5t
現在もツヴィーゼル市のランドマークとして、クリスタルグラス産業の中心地であることの象徴として、大切に保管されます。
2011
デカンタの液ダレを防ぐ、DROP PROTECT 「ドロップ プロテクト」を開発します。
2012
グラスの耐久性を飛躍的にアップさせるダブルプロテクション機能、TRITAN®PROTECT「トリタン®プロテクト」を開発します。
2016
ツヴィーゼルの高い技術力とスウェーデンのデザインデュオ「ベルナドッテ&シルベリ」とのコラボレーション「AIR SENSE(エア センス)」を発表します。AIR SENSEのグラスやデカンタの内部にあるデカンテーション・スフィア(デカンタ効果を促す機能を持った球体)は、ワインを空気により多く触れさせ、ワインの美味しさをよりいっそう引き出します。
2019
日本限定ハンドメイドシリーズ“insieme”(インシエメ)を発売開始します。
2023
高級ホテル・レストランへクリスタルグラスを供給するメーカーとして、「世界のマーケットリーダー2023」に輝きました。(2017年、2018年、2020年、2021年、2022年も受賞)
これは、ザンクトガレン大学とドイツのアカデミー、そして雑誌「WIRTSCHAFTSWOCHE」が共同で評価した指標に基づき、発表されたものです。
150周年を記念して国際的に有名なデザイナーSebastian Herknerと共同で制作した"Journey"(ジャーニー)シリーズ。
150年の歴史の節目を直線的なレリーフとして視覚化したもので、過去、現在、未来が、ステムに刻まれたラインでつながっています。
この洗練されたデザインは、「German Design Award 2023」(2023年のドイツデザイン賞)の、テーブルトップ部門において「Special Mention」賞(特別賞)を受賞しました。ドイツデザイン賞は、世界で最も権威のあるデザイン賞のひとつです。
ガラスのミニ歴史
ガラスの歴史は古く、紀元前4000年より前にエジプトやメソポタミアで作製した有色のビーズが始まりと考えられています。
中世にガラス製造は世界各国に広まり、1670年代に入ると、ドイツ・ボヘミア・イギリス各地で無色透明なガラスの製法が完成。19世紀には科学的な方法でガラスの製造を開始、ツヴィーゼル・クリスタルグラス社の歴史が始まります。